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「実名報道」に理はあるか
昨年12月22日に東京都八王子市で小学生3人が、米軍厚木基地(神奈川県厚木市)の女性上等水兵(23)運転のワゴン車にはねられ重軽傷を負った。女性水兵は業務上過失傷害などの疑いで警視庁八王子署に緊急逮捕されたが──(6日『毎日新聞』朝刊社会面)。
松本・ひき逃げ容疑で逮捕 5日、松本市南浅間、職業不詳、H容疑者(26)を(管理人註:紙面では実名を記載)業務上過失傷害と道交法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕した(同地域面)。
「実名報道」に理はあるか上の記事は同じ日の同じ新聞に掲載されたものだが、おかしな箇所は一目瞭然。一方は「匿名」で報道し、一方は「実名」で報道することの整合性はどこにあるのだろうか。
事件が起こったときにマスコミは第一報こそ大々的に報道するものの、結局は警察発表の垂れ流しである。よってそれがのちに「冤罪」であることが裁判等で立証されようとも「誤報」であったことはほとんど記事にされなかった例は枚挙にいとまがないだろう。それを教訓とせずに次から次へと垂れ流すばかりでは、警察側の匿名発表を批判するだけの論拠をマスコミは持ち得ないのではないか。
『毎日』は10日朝刊でJR奥羽線脱線事故での取材自粛がJR側から出されたことを批判しているが(参照)、警察発表をいち早く伝えることがまるで「特ダネ」であるかのような“速報の競争”を続ける現状では批判に説得力を持たないし読者の信頼を獲得することは出来まい。

そもそも警察の側が匿名報道を云い出したということはマスコミがそれだけなめられている証拠であろう。それを自覚できずに「報道の自由」だの「国民の知る権利」だのと云ったところで「はあ?」である。断言するがマスコミが云うところの報道の自由や知る権利は過熱報道に象徴される“デバガメ的なもの”に過ぎない。
ホリエモン騒動のとき「新聞(やテレビ報道)の使命は『調査報道』にある。堀江が云うインターネットジャーナリズムではそれは期待できない」てなことを云った者がいた(誰かは忘れたが)。だが堀江ごときに殺されかねないのがマスコミの現状ではないのか。
氏名の発表を実名にするか匿名にするかを警察の側が握るのは大いに問題ではある。だがマスコミが報道する際には被害者はもちろんのこと加害者に至っても「推定無罪」に則って匿名でよいのではないか。無論政治家や上級公務員、重大な事件等では容疑者を実名にすべき例はあるだろうが。

再販制度の見直しが議論された当時、新聞協会は「戸別配達が崩壊する」「価格競争に巻き込まれる」「活字文化が衰退する」などの理屈を並べて大々的に反対キャンペーンの論陣を張った。確かに戸別配達が制度化されていなければほとんどの新聞社はつぶれるだろう。それは“わざわざ買ってまで読みたい内容=記事が無いから”である(これはインターネットの隆盛とは別にある根源的な問題である)。
今回の警察側の匿名発表の問題も再販制度のときに似た感情的なものにしか見えないが、ジャーナリズムの本分である“権力の監視”は忘れて自分たちに直接降り掛かった火の粉だけは払い除けようとする不様な反応はもはや哀れにすら思えて来る。
広告主の顔色を伺うだけのマスコミに真の意味での報道の自由など望むべくもない。サラ金広告を平気で宣伝するようなマスコミが「報道の自由」と叫んだところでチャンチャラ可笑しいだけだ。読者視聴者の「のぞき見」を満足させるだけなら実名報道などまったくの無意味である。
この記事へのコメント
婉曲的に
治安維持法への入り口かと。
戦前政治への入り口かと。
Matty| | 2006/02/02(木) 12:03:27
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
| 2009/10/18(日) 08:18:51
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