スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
誰が彼を殺したのか
04年8月13日米軍ヘリが沖縄国際大に墜落した事故後、川口順子外相(当時)、石破茂防衛庁長官(同)らによる関係閣僚会議が設置されて初会合を開いたのは二週間もたってからであり、「思いっ切り頭を空っぽにしたいね」と夏休みを返上することなく高輪プリンスホテルでアテネ五輪のテレビ観戦に耽(ふけ)っていた。
04年10月23日新潟県中越地方で大地震が起こった直後、その事を知らされたにもかかわらず東京国際映画祭の舞台で「アーアアー」とターザンのモノマネを披露していた。
“戦後の”イラクで誘拐された6人目の日本人青年の遺体が発見されたという第一報時04年10月30日には、細田博之官房長官(当時)とそろって福田康夫元官房長官の長男の結婚披露宴に出席していた。

これらはすべて、ブッシュのペットと揶揄される小泉純一郎の「奇行」である。いや、奇行とは云えぬかも知れぬ。この男は政局にしか興味がないのだから。
そうであったにせよ、小泉の危機管理意識・能力の無さを手厳しく批判した大新聞はひとつもなく、同様に日本の世論も多くは鈍感であった。アメリカ原子力潜水艦によるえひめ丸への「テロ行為」を知ってもゴルフを続けていた森喜朗への非難の大合唱とは雲泥の差と云えよう。

 ー ー ー

政府・外務省は自らの無策無能をスピンするために「自己責任」という実体が極めてあやふやな論理を持ち出す。しかし上記した小泉の奇行を許容する多くの日本人は「自己責任」を何の疑いもなく受け入れたのである。この瞬間、日本人から何らかの──そしてそれはとてつもなく大切な──タガが外れた。

本来は権力のしばりである憲法を国民へのしばりへと改悪を促進している政権であればさもありなん。ブッシュの尻毛を煎じて飲んでいる小泉が明言した「テロに屈しない」は香田証生さんへの事実上の死刑宣告であり、未必の故意である。自衛隊の撤退を要求する犯人にその唯一の条件をハナから拒否したのでは交渉もへったくれもない。
そのような政府に「すいませんでした」と謝る香田青年は愚か、あまりにも愚かである。自分を見殺しにする政府に対して謝罪を口にする必要などあるまい。(香田青年が口にした謝罪は日本政府に向けたものではなかったのかも知れないが、私には“そのように”感じられた。)

誰が彼を殺したのか香田青年が助からなかったのは現地人や市民団体とのつながりがなかったからであり、裏返せば先の人質5人が助かったのはそれがあったからと思われる。日本政府は犯行一味と実質的な交渉などしてはいまい。また交渉の術(すべ)など持ち合わせてもいまい。
香田青年が問われるべき責任とは、日本政府が無策無能であることを自覚していなかった、あるいは見抜けなかったその一点にこそある。

結果、香田青年は政府と多くの日本人が望んだ通りに殺され、日本時間04年10月31日未明にバグダッドで遺体が発見される。香田青年は「自己責任」を全うしたのである。自己責任論者にとってはすべてがもっとも望ましい形で“一件落着”したのだ。
イラク内務省対テロ部隊オオカミ旅団が今頃になって香田青年殺害犯(容疑者)を逮捕したことはむしろ“余計なことしてくれた”というのが政府・外務省の本音であろう。惨殺された香田青年の頭部が星条旗に包まれて棄てられていたことなどもはや誰も覚えてはいないのだから。平和ボケ国家日本!

 ー ー ー

東京あるいは日本のどこかでニューヨークやマドリード、ロンドンで起きた悲劇が再現されようとも、すべては「自己責任」に帰着する。少なくとも未だ小泉を支持するおよそ半分の無邪気な日本人にとっては。そこには一片の同情すら必要としないだろう。テロを呼び込む政権を支持する結果としての「自業自得」なのだから。

改めて思う、“誰が彼を殺したのか”と。
この記事へのコメント
香田青年の話については
一緒に働いていたヨーロッパ人や、ケニア沿岸部のムスリム達にも色々と質問され、答えに窮しました。(わたしの英会話能力の低さのせいもありますが)

「なぜ、交渉さえしようとしなかったのか?」
「日本人はどんな小さな命でも大切にするメンタリティを持つ国民だと聞いていたのに、あんな殺され方をされた人を悼む気持ちはないのか?」
「日本は北朝鮮のような専制君主国家なのか?」

どの質問にも答えることはできませんでした。現実の方があまりにも悲惨すぎて。
えぼり| | 2006/03/06(月) 15:20:58
輸入停止が遅すぎた
なので、国家カクリョウはみなBSEに汚染されているので、キコーに走るのでしょう。

フィクションの世界では、一番の拠り所となる国が、おのが政権と支持率のため、臣民をなんのためらいもなく生贄にするという、とんでもないことが多々あります。国はそれをトンデモ話だと一顧だにしませんが、現実に起きているのですね。と言うか、60年前がそうですね。そしてまた、テキトーな大義名分をつくり、臣民をそうさせるのですね。
Matty| | 2006/03/06(月) 16:34:02
えぼりさん>
まったくおっしゃる通りだと思います。
イラクは余りにも遠過ぎるのでしょうか。地理的に、だけではなく。

Mattyさん>
特に武部はバクバク食べてました。
水瓶座| | 2006/03/07(火) 12:54:12
コメントを投稿する





秘密: 管理者にだけコメントを表示させる
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック(本ブログURLを含まないTBは制限されています)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。